======================================== はじめに ======================================== .. note:: 本章は Quloud Ver.7.0 を対象としています。記載内容の確認日は 2026 年 9 月 8 日です。 Quloud は、ブラウザから第一原理計算や分子動力学計算などの材料シミュレーションを実行し、 その結果を蓄積・比較するためのプラットフォームです。計算対象の原子構造を Material として 登録し、実行したい計算を選んで Job として実行し、得られた結果を Property として残していく、 という流れで利用します。 本書は Quloud の操作方法を説明します。計算手法そのものの解説や、計算エンジンごとの入力 パラメータが持つ物理的な意味については、各計算エンジンの公式ドキュメントをご参照ください。 | | ---------------------------------------- 本書の構成 ---------------------------------------- 以降の章は、おおむね実際の操作の順に並んでいます。 - :doc:`signup` ・ :doc:`signin` ・ :doc:`invitation` — アカウントを用意します。 - :doc:`dashboard` — Project・Material・Job・Property の一覧から目的のものを探します。 - :doc:`jobs_and_models_atom` ・ :doc:`jobdetail` ・ :doc:`modeling` — 計算対象の原子構造を用意します。 - :doc:`calculation` ・ :doc:`runjob` — 計算 Job を登録し、実行します。 - :doc:`property` ・ :doc:`visualization` ・ :doc:`files` — 計算結果を確認します。 - :doc:`header` — テナント・ユーザー・利用状況を管理します。 - :doc:`specifications` — 現在の仕様と制限事項、計算エンジンごとの注意事項をまとめています。 - :doc:`release_notes` — バージョンごとの変更内容です。 | | ---------------------------------------- 動作環境 ---------------------------------------- | | ################################################ ブラウザ ################################################ Quloud はブラウザから利用します。モデリング画面、構造ビューア、ブリルアンゾーン表示、 等値面表示、分子動力学のアニメーション表示は WebGL を使用しますので、WebGL が利用できる ブラウザをご使用ください。 本書に掲載している画面は、ウィンドウ幅 1440 px の Chromium 系ブラウザで確認したものです。 ウィンドウ幅が狭い場合は、一覧の列が省略されるなど、表示が本書と異なることがあります。 | | ################################################ 表示言語 ################################################ Quloud の画面は日本語と英語に対応しており、既定は日本語です。表示言語は、ヘッダーの 「アカウント」から「プロフィール」を開き、「プロフィールを編集」の「表示言語(Language)」で 切り替えます(:doc:`header` 参照)。 **本書は日本語表示の画面で説明します。** 英語表示に切り替えた場合、ボタン名や項目名は 本書の記載と異なります。 | | ---------------------------------------- 本書の記法 ---------------------------------------- - 画面上のボタン名・項目名・タブ名は「 」で囲みます(例:「ジョブ作成」)。 - ファイル名、内部的なキー、コード値は等幅で示します(例:``QuloudJob.scf.in``、``scf``)。 - 特に注意していただきたい箇所は **太字** で示します。 - 掲載している画面は説明のために用意したものです。テナント名、ユーザー名、ポイント残高、 日時などは、実際の画面とは異なります。 | | ---------------------------------------- 用語 ---------------------------------------- 本書では次の用語を使用します。 .. list-table:: :header-rows: 1 :widths: 22 78 * - 用語 - 説明 * - テナント(Tenant) - 契約の単位です。すべてのユーザーはいずれかのテナントに所属します。ポイントの残高、 ストレージの容量、契約期間、利用できる計算エンジンは、テナントごとに決まります。 * - ロール - テナント内でのユーザーの権限です。管理ユーザー(Owner)とメンバー(Member)の 2 種類があります。ユーザーの招待や利用状況の確認は、管理ユーザーが行います。 * - Project(プロジェクト) - Material と Job をまとめる単位です。同じテナントのユーザーを参加させて共有できます。 * - Material(マテリアル) - 計算の対象となる原子構造です。「結晶」と「分子」の 2 種類があります。 * - Job(ジョブ) - 1 回の計算の実行単位です。計算に使う Material、入力パラメータ、計算リソースの 指定からなります。 * - 計算エンジン - 計算を実行するソフトウェアです(Quantum ESPRESSO、OpenMX など)。画面上では 「計算ソフト」と表示されます。 * - 計算機能 - 「ジョブ作成」で計算ソフトとあわせて選ぶ、計算の種類です(自己無撞着電子状態計算、 構造最適化、電子バンド構造など 26 種類)。計算ソフトとの組み合わせごとに ワークフローが定義されており、そのワークフローが 1 つ以上のステップからなります。 複数ステップの場合は、1 回の Job 登録で複数の計算が順に実行されます。 * - Property(プロパティ) - Job の計算結果のうち、Material に紐づけて残しておきたいものを選んで登録したものです。 Material ごとにグループへ分けて整理できます。 * - ポイント - 計算の実行に消費される単位です。テナントごとに管理され、残高と有効期限はヘッダーの 「利用情報」で確認できます。 | | ---------------------------------------- 利用できる計算エンジンと機能 ---------------------------------------- Quloud で利用できる計算エンジンと機能の対応は次のとおりです。 .. include:: _generated/engine_matrix.rst | 計算 Job を登録するときは、この「計算エンジン」と「機能」の組み合わせを選びます (画面上ではそれぞれ「計算ソフト」「計算機能」と表示されます)。ただし表の組み合わせ すべてが選べるわけではなく、**あらかじめワークフローとして定義されている 49 通り** に 限られます。選べる組み合わせの一覧は :doc:`specifications` の章に掲載しています。 1 つの組み合わせは複数のステップからなることがあり、その場合は 1 回の Job 登録で複数の 計算が順に実行されます。たとえば Quantum ESPRESSO の「電子バンド構造」は、 自己無撞着電子状態計算(SCF)→ 固定ポテンシャル電子状態計算(バンド)→ 電子バンド構造 の 3 ステップを順に実行します。1 つの計算機能が複数の計算ソフトを使う場合もあります。 手順は :doc:`calculation` の章をご参照ください。 | .. note:: 利用できる計算エンジンはテナントごとに異なります。上の表に挙げたもののうち、 **DFT-1/2 と HybMD は、テナントに割り当てられている場合にのみ選択できます。** そのほかの計算エンジンは、すべてのテナントで選択できます。 .. note:: **Psi4 は分子専用です。** 結晶の Material に対しては、Psi4 を使う計算機能を選択できません。