6. Material の登録

注釈

本章は Quloud Ver.7.0 を対象としています。記載内容の確認日は 2026 年 9 月 8 日です。



6.1. 概要

Material は計算の対象となる原子構造です。原子構造の指定には 3 つの方法があります。

  1. 結晶データベースから選ぶ — Materials Project を検索します

  2. 分子データベースから選ぶ — PubChem を検索するか、ポリマープリセットから選びます

  3. ファイルをアップロードする — 手元の構造ファイルを読み込みます

登録した Material をモデラーで加工して別の Material にすることもできます (モデリング の章)。



6.2. 前提

  • 登録先のプロジェクトに参加していること

  • テナントが利用制限中でないこと(計算 Job の実行 の章)



6.3. 操作手順


6.3.1. 1. 「新規マテリアル」を押す

Material はプロジェクトごとに登録します。ホーム画面の「プロジェクト」から プロジェクトを開き、「マテリアル」の右上にある「+ 新規マテリアル」を押します。

プロジェクト詳細画面のマテリアルの列。見出しの右に検索アイコン、拡大アイコン、「+ 新規マテリアル」ボタンが並ぶ。その下に名前・ジョブ・更新日時の列を持つ一覧があり、各行の名前の左に CRY または MOL のラベルが付いている。

図 6.1 プロジェクト詳細画面のマテリアル一覧

一覧の名前の左にあるラベルは構造の種類です。CRY が結晶、MOL が分子です。


6.3.2. 2. 名前と原子構造を指定する

「マテリアルを作成」ダイアログが開きます。

「マテリアルを作成」ダイアログ。名前(必須)、説明、ソフトウェアの選択欄が縦に並び、「原子構造」の行に「Crystal DBで検索」「Molecule DBで検索」「ファイルアップロード」の 3 つのボタンが横に並んでいる。下部の「作成」ボタンは押せない状態。

図 6.2 「マテリアルを作成」ダイアログ

項目

内容

名前

必須です。一覧に表示される名前です。

説明

任意です。Material 詳細画面に表示されます。

ソフトウェア

既定は「なし」です。「なし」以外を選ぶと、Material と同時に計算 Job も 作られます(この章の「入力ファイルから Job ごと作る」)。

原子構造

3 つのボタンのどれかで指定します。指定するとダイアログの下に 選んだ構造やファイルの名前が並びます。

原子構造を 1 つ以上指定するまで「作成」は押せません。


6.3.3. 3. 「作成」を押す

Material が登録され、プロジェクトのマテリアル一覧に追加されます。 一覧の名前を押すと Material 詳細画面に移ります(Material 詳細画面 の章)。



6.4. 結晶データベースから登録する

「Crystal DBで検索」を押すと、Materials Project の検索ダイアログが開きます。

「結晶を検索」ダイアログ。検索タイプ(既定は化学式)とクエリの必須項目、結晶系・空間群記号・サイト数の絞り込み項目が縦に並び、その下に幅いっぱいの「検索」ボタンがある。下部に「キャンセル」と、まだ押せない「選択」ボタンがある。

図 6.3 「結晶を検索」ダイアログ

「検索タイプ」で検索の仕方を選び、「クエリ」に検索語を入れて「検索」を押します。

検索タイプ

クエリに入れるもの

マテリアルID

Materials Project の ID(mp-149 など)

化学式

化学式(Fe2O3、ABO3 など)

元素系

元素の組み合わせ(Li-Fe-O など)

元素

含まれる元素

「結晶系」「空間群記号」「サイト数」は任意の絞り込みです。サイト数は 5 のような 値のほか 5-20 の範囲でも指定できます。

検索結果の表から 1 件を選び、「選択」を押すと「マテリアルを作成」ダイアログに戻ります。 表の「マテリアルID」は Materials Project のページへのリンクです。



6.5. 分子データベースから登録する

「Molecule DBで検索」を押すと、次の 2 つから選ぶメニューが開きます。

項目

内容

PubChemで検索

PubChem を検索して分子構造を取り込みます。

ポリマープリセットから選択

あらかじめ用意されたポリマーの繰り返し単位から選びます。


6.5.1. PubChem で検索する

「分子を検索」ダイアログ。検索タイプ(既定は名前)とクエリの入力欄が縦に並び、クエリには「例: aspirin」のプレースホルダが表示されている。その下に幅いっぱいの「検索」ボタン、下部に「キャンセル」と押せない状態の「選択」ボタンがある。

図 6.4 「分子を検索」ダイアログ

検索タイプは「名前」「化学式」「CID」「SMILES」「InChI」「InChIKey」から選べます。 入力例はクエリ欄に表示されます。

注釈

3D 構造データを持たない分子は登録できません。検索結果に 「3D構造データがありません」と表示されます。


6.5.2. ポリマープリセットから選ぶ

「ポリマープリセットを選択」ダイアログ。名称・SMILES・原子数の列を持つ表に、ポリエチレン (PE)、ポリプロピレン (PP)、ポリスチレン (PS)、ポリ塩化ビニル (PVC)、ポリアクリロニトリル (PAN)、ポリメチルメタクリレート (PMMA)、ポリビニルアルコール (PVA)、ポリエチレンオキシド / ポリエチレングリコール (PEO / PEG)、ポリエチレンテレフタレート (PET)、ビスフェノールAポリカーボネート (BPA-PC) が並び、全 13 件と表示されている。

図 6.5 「ポリマープリセットを選択」ダイアログ

繰り返し単位の SMILES と原子数が一覧されます。1 件を選んで「選択」を押します。 高分子の計算(RadonPy)で使います。



6.6. ファイルから登録する

「ファイルアップロード」を押すと、ファイルを受け取るダイアログが開きます。

「ファイルをアップロード」ダイアログ。「アップロードするファイルをドラッグ&ドロップしてください。」と書かれた領域があり、下部に「キャンセル」と緑色の「アップロード」ボタンが並ぶ。

図 6.6 「ファイルをアップロード」ダイアログ

領域にファイルをドラッグ&ドロップするか、領域を押してファイルを選び、 「アップロード」を押します。複数のファイルをまとめて指定できます。

読み込める構造ファイルの形式は次のとおりです。

形式

ファイル

CIF

.cif

XYZ

.xyz

VASP

.vasp、POSCAR、CONTCAR

XSF

.xsf

LAMMPS

.lmp、.data

計算ソフトの入力ファイル

Quantum ESPRESSO、OpenMX、RSDFT の入力ファイル

上記以外でも、構造として解釈できる形式であれば読み込めることがあります。 解釈できない場合は登録時にエラーになります。


6.6.1. 入力ファイルから Job ごと作る

「ソフトウェア」で「なし」以外を選ぶと、アップロードした入力ファイルをそのまま使う 計算 Job が、Material と同時に作られます。 計算条件を画面で組み立てるのではなく、 手元で用意した入力ファイルで計算したい場合に使います。

選べるソフトウェアは次のとおりです。

ソフトウェア

主な入力ファイル

FLARE

QuloudJob.yaml、rsdft.atom

LAMMPS / LAMMPS+CHGNet

in.QuloudJob、QuloudJob.lmp

OpenMX

openmx.in

Quantum ESPRESSO (PW)

QuloudJob.scf.in

Quantum ESPRESSO (DOS)

QuloudJob.scf.in、QuloudJob.nscf.in、QuloudJob.dos.in

Quantum ESPRESSO (BAND)

QuloudJob.scf.in、QuloudJob.nscf.in、QuloudJob.bands.in

Quantum ESPRESSO (BAND with spin)

上記に QuloudJob.bands2.in を加えたもの

RSDFT

rsdft.in、rsdft.atom

ファイル名は決まっています。 「作成」を押した時点で内容が検査され、 必要なファイルが足りない場合や中身が想定と違う場合はエラーが表示されます。 擬ポテンシャルファイル(.upf など)も一緒にアップロードできます。

作られた Job は Status が「Registered」なので、実行は 計算 Job の実行 の章の手順で行います。



6.7. 注意事項

  • 同じ Material を複数のプロジェクトから使うことはできません。 Material は 1 つのプロジェクトに属します。別のプロジェクトで使いたい場合は、Material 詳細画面の 「他のプロジェクトへ移動」で移します(Material 詳細画面 の章)。

  • Material の削除は、その Material を使っている Job がある場合に制限されます (Material 詳細画面 の章)。

  • 外部データベースの検索は、Materials Project と PubChem に問い合わせます。 応答が無い場合は時間をおいてやり直してください。