8. モデリング

注釈

本章は Quloud Ver.7.0 を対象としています。記載内容の確認日は 2026 年 9 月 14 日です。



8.1. 概要

モデラーは、登録済みの Material の原子構造を加工して**別の Material を作る**画面です。 スーパーセルの作成、表面(スラブ)の切り出し、原子の置換・削除、分子や結晶の追加などが 行えます。

モデラーは**別のタブで開きます。** 加工した結果は「保存」で Material として登録され、 元の Material はそのまま残ります(上書きも選べます)。



8.2. 前提



8.3. 操作手順


8.3.1. 1. モデラーを開く

Material 詳細画面の「プロパティ」で、「Initial Structure」の右にある「モデリング」を 押します(Material 詳細画面 の章)。別のタブでモデラーが開きます。

モデラーの初期表示。左の黒い領域に結晶の単位格子と 2 個の原子が 3D で描かれ、a1・a2・a3 の軸が色付きで表示されている。左上に「原子数 = 2(周期像を含めると 2)」とある。右のパネルの上部に保存・元に戻す・やり直す・設定のアイコンが並び、その下に格子パラメータ・スーパーセル・原子座標・セル変換・相対原子位置・表面のアコーディオンと、「ビューをリセット」「マークをリセット」のボタンがある。画面下部に「分子を追加」「結晶を追加」がある。

図 8.1 モデラー(結晶を開いた状態)

  • 左の領域が 3D ビューです。ドラッグで回転、マウスホイールで拡大・縮小します

  • 右のパネルが操作パネルです。見出しを押すと開きます

  • 下部に「分子を追加」「結晶を追加」があります(結晶を開いたときのみ両方)


8.3.2. 2. 構造を加工する

右のパネルの各項目で構造を変えます。項目は開いた構造の種類によって変わります。

項目

できること

格子パラメータ

格子定数と角度を変えます。「原子を固定」を選ぶと、セルを変えても原子の 絶対座標を保ちます。

スーパーセル

単位セルに対する a・b・c 方向の倍率を指定してセルを拡張します。原子の追加・ 削除やセルの変更を行うと、その時点の構造が新しい単位セルになります。

原子座標

原子ごとの座標を数値で編集します。

スピン

元素ごと・原子ごとの初期スピンを指定します。

拘束条件

元素ごと・原子ごとに、動かさない方向(x / y / z)を指定します。

セル変換

プリミティブセルと慣用セルを切り替えます。

相対原子位置

セル内の原子全体を a1 / a2 / a3 方向にずらします。

表面

Miller 指数とスラブ・真空のサイズを指定してスラブを切り出します。

分子を追加 / 界面 / セルを追加 / Packmol

別の構造を組み合わせます。開いた構造や追加した内容によって現れます。


8.3.2.1. スーパーセルを作る

モデラーの「スーパーセル」を開いた状態。a・b・c の 3 つの数値入力欄にいずれも 1 が入り、「現在の単位セルを a×b×c 倍に複製します。原子やセルを編集すると、その構造が新しい単位セルになります。」という説明文と「スーパーセルを適用」ボタンが並んでいる。

図 8.2 スーパーセル

a・b・c に**単位セルに対する倍率**を入れて「スーパーセルを適用」を押します。 最初は読み込んだ構造そのものが単位セルで、a・b・c にはいずれも 1 が入っています。

原子の追加・削除・置換や格子パラメータの変更など、構造に手を加えると、その時点の 構造が新しい単位セルになり、a・b・c の表示は 1 に戻ります。そこから改めて倍率を 指定すると、手を加えたあとの構造を単位として複製されます。

すでに適用済みの倍率と同じ数字を指定した場合、「スーパーセルを適用」は押せません。 より小さい倍率を指定すれば単位セル側へ縮小することもできます(たとえば 3×3×3 の 状態から 1×1×1 を指定すると、単位セルそのものに戻ります)。


8.3.2.2. 表面(スラブ)を切り出す

モデラーの「表面」を開いた状態。Miller index の 3 つの入力欄(0, 0, 1)、スラブサイズと真空サイズのスライダー、Orthogonal c slab・スラブを中央に・Pseudo H(上部)・Pseudo H(下部)・上下反転・プリミティブ・LLL reduce のチェックボックス、「スラブを生成」ボタンが並んでいる。

図 8.3 表面(スラブ生成)

Miller 指数とスラブサイズ・真空サイズを指定して「スラブを生成」を押します。 条件に合う候補が複数見つかった場合は「スラブ候補」のツールバーが現れ、 「前へ」「次へ」で切り替えてから「選択を確定」を押します。


8.3.2.3. 原子を個別に操作する

3D ビューで原子を右クリックすると、「移動」「削除」「置換」のメニューが出ます。 複数の原子にまとめて適用することもできます。


8.3.3. 3. 表示を調整する

右上の歯車から表示の設定を変えられます。構造そのものは変わりません。

モデラーの設定メニュー。原子球と結合太さのスライダー、原子ラベルを表示・軸を表示・距離を表示・角度を表示・原子数を表示のチェックボックスが並んでいる。

図 8.4 表示設定

「ビューをリセット」で視点を、「マークをリセット」で選択した原子のマークを戻します。


8.3.4. 4. 保存する

左上の保存アイコンを押すと「モデルを保存」ダイアログが開きます。

「モデルを保存」ダイアログ。名前(必須、もとのマテリアル名が入っている)、説明、上書きのチェックボックスが縦に並び、下部に「キャンセル」と緑色の「保存」ボタンがある。

図 8.5 「モデルを保存」ダイアログ

項目

内容

名前

必須です。もとの Material の名前が初期値として入ります。 新しい Material として保存する場合は変えてください。

説明

任意です。

上書き

チェックを入れるともとの Material を書き換えます。入れない場合は 新しい Material として登録されます。

「保存」を押すと確認のメッセージが出ます。「OK」で保存され、 モデラーのタブは閉じ、元のタブが保存先の Material 詳細画面に切り替わります。

新しい Material として保存した場合、その Material 詳細画面の「マテリアル」に もとの Material が「作成元マテリアル」として記録されます(Material 詳細画面 の章)。



8.4. 原子ごとの拘束条件・初期スピン

同じモデラーは、計算 Job の入力を指定する画面としても使われます。 「ジョブ作成」フォームの「拘束条件を設定」「初期スピンを設定」を押すと、 モデラーが別のタブで開きます(計算 Job の登録 の章)。

サイトプロパティ設定の画面。右のパネルに「スピン」と「拘束条件」だけが表示され、それぞれ元素ごとの表と原子ごとの表に分かれている。スピンは数値入力、拘束条件は固定・x・y・z のチェックボックスになっている。左上のアイコンは保存と設定の 2 つだけで、元に戻す・やり直すは無い。

図 8.6 サイトプロパティ設定

  • 表示されるのは「スピン」と「拘束条件」だけです。構造は変えられません

  • 保存アイコンは「保存して戻る」です。Material は作られません。 指定した内容がジョブ作成フォームに戻り、その Job の入力になります



8.5. 注意事項

  • モデラーは別のタブで開きます。 ブラウザがポップアップをブロックしている場合は 開きません。ブロックを解除してください。

  • 保存するまで加工の結果は残りません。タブを閉じると失われます。

  • 「元に戻す」「やり直す」で操作をたどれますが、保存後は戻せません。

  • 原子数が多い構造では、原子ごとの表が出ずに元素ごとの表だけになります。